【コンセプト】

「壁がなければ」

~ときには妨げがないように、ときには盾があるように~

 

  各自の状態や周りの環境の状況等に起因して「拠り所を失ったもの、拠り所のないものの居場所を作る」ということを芸術の力を借りて達成することが目的です。

  

【発起の経緯】

  20歳代半ばで自律神経失調症と診断され社会適合不能となりましたが、自然と芸術を愛し環境問題に取り組んで積極的に活動していた妹を社会への窓口とすることで辛うじて心の平静を保ち暮らしていました。

  その妹が急逝し、生きる悲しみに耐えがたく全てを忘れたいと自棄になってもがく私の心を慰めてくれたのは、「絵を描くことで世間と繋がっていきたいから見守っていて欲しい」と、唐突な申し入れをくれた知り合ったばかりのうら若い様子の男子でした。けれども活き活き描いたのは束の間で統合失調症を抱え社会参加出来ず苦しむ彼。助ける術を探して公共機関の門を叩いてみたりしましたが、心を閉じていく一方の彼個人には結局、何も貢献出来ずに終わりました。彼と付き合いを絶った年に最愛の母が急逝。気丈にも一家を支えてくれていた母を失い、私は統合失調症で家から出ない父親と二人暮らしとなりました。5年前のことです。母は父の病状を世間から隠して面倒を見ていたので、それまでは私も見て見ぬふりをしていましたが、自身の体調が不安定で母のようには出来ないことと、症状を認めてこそ人権は守られると思い、父の精神障がい者認定を受けました。

  「拠り所ないものの居場所を作る」という目標を持ったのは、不安定な体調ながらも自宅近くに職場を得て生活が落ち着いてきた10年程前のことです。 統合 失調症の友人や父親、自律神経失調症の自分自身と社会適合出来ずに行き場のないものたちがいて、個人の力には救済に限界がある。この20年間、私の心の支えであってくれたアートの力を借りて、その解決の仕組みづくりに取り組んでいきたいと思うのです。 

2020年1月 山田早弓